この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:地目変更登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、地目変更など登記に関する業務を行っています。
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土地の最新の登記情報を確認した時に、
登記に記載されている所有者の住所や苗字が、
現在とは違っている時があります。

たとえば、土地を購入した時の住所から、
現在は引っ越しなどをして違う住所になっている場合や、
婚姻や離婚などによって苗字が変わっている場合があります。

そういった場合に、その土地の地目変更をしようとした時には、
申請人となる所有者の住所や苗字が、
登記の所有者の住所や苗字と違っていることになります。

このような場合には、その土地の所有者と、
申請人との同一性を保つために、
住所や、苗字が変わっていることの証明が必要になってきます。

一番良いのは、地目変更の登記申請の前に、
住所や氏名の変更登記をするのが良いのですが、
かならずしも、それを先にしなければならないわけではありません。

具体的には、登記の住所と、現在の住所が違っている時には、
つながりのわかる住民票か、戸籍の附票を、
地目変更登記の申請書に添付して提出すれば良いことになります。

ただ、それによって、
登記の住所の記載が、
現在の住所に変更されるというわけではありません。

あくまで、地目変更登記をするには、
住所の変更登記をしなくても支障はないということです。

もし、住所の違いであれば、
基本的に、登記の住所~現在の住所への経緯がわかる、
住民票か、戸籍の附票が必要です。

登記の住所が、1つ前の住所であれば、
住民票を取得する時に、『1つ前の住所も記載してください』と、
市役所の窓口担当者に伝えれば、1つ前の住所も記載してもらえます。

逆に、1つ前の住所を記載してほしい旨を伝えなければ、
現在の住所のみが記載された住民票となってしまいますので、
かならず、1つ前の住所の記載の旨は伝えなければなりません。

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もし、登記の住所が2つ、3つ・・・前の住所であれば、
戸籍の附票を取得することになります。
戸籍の附票には、戸籍ができた時からの全ての住所が記載されているからです。

ただ、戸籍の附票については、保存期間が約5年と定められていますので、
戸籍の附票が閉鎖されてから5年を経過していると、
廃棄されている可能性が高くなります。

もちろん、戸籍の附票が閉鎖されない限りは、
何年でも役所に存在していますので、
閉鎖されてから約5年という点には注意が必要です。

たとえば、30年くらい前に、ある役所で戸籍を作り、
その後、他の役所に戸籍を移していなければ、
戸籍の附票には、30年間の住所移転の経緯が記載されています。

ちなみに、住所と戸籍の本籍は別のことで、意味が異なりますので、
たとえ何度か住所を変更していたとしても、
戸籍の本籍はそのままでしたら、戸籍の本籍は同じ所のままです。

逆に、戸籍の本籍を別の役所移してしまっていれば、
その時点で戸籍の附票が閉鎖され、
その時から5年を経過していれば、廃棄されている可能性が高くなります。

もし、登記の住所から現在の住所までの間に、
戸籍の本籍も移しているようでしたら、
それぞれの本籍地のある役所で戸籍の附票を取得して、
つなげる作業が必要になります。

ただ、そういった場合には、
現在の戸籍の本籍地での戸籍の附票は取得できますが、
1つ前の戸籍の本籍地では、
戸籍の附票は5年を経過して廃棄され、取得できないこともありえます。

つまり、登記の住所の記載が、戸籍の附票からでは見当たらない時もあり、
その時には、法務局の登記担当者と打ち合わせをして、
その他の必要な書類を提出する流れになります。

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